戦争中に、
どんなに自分の身体に気をつけても、
爆弾が落ちてきたら一発アウトです。
自分でなんとかできるものではありません。
大きな機械を使う工場や炭坑で、
どんなに自分の身体に気をつけていても、
機械が壊れたり、岩盤が落ちてきたら一発アウトです。
自分でなんとかできるものではありません。
都市のなかで流行する伝染病や戦争による栄養失調・衛生不備に対しては、
どんなに自分の身体に気をつけていても、
自分でなんとかできることは限られています。
そんな、外発的な、命に関わる怪我・病に対し、
医療と病院は発達しました。
戦前の死亡原因としてもっとも深刻だったのは、肺炎や胃腸炎といった感染症でした。
また食中毒は高温多湿の日本では頻繁に起こるものでした。
戦後しばらくは結核が死因第1位でしたが、
有効な化学療法が開発され、低下していきます。
これらは、医療の発達によって克服されてきたといってよいでしょう。
また、戦後の経済成長のなかで、下水道の整備・食住環境がよくなってきたことで、
衛生面、栄養面といった環境面をよくしていったことで克服してきたといえます。
まさに、先人の努力の賜物です。
現代日本に生まれただけで、すでにめちゃくちゃラッキーなのです。
では、現在、日本人の死因とその対応はどういった状態でしょうか。
1位 悪性新生物
2位 心疾患
3位 脳血管疾患
4位 肺炎
5位 老衰
です。
(厚生労働省人国動態統計 2009年)
1957年頃から悪性新生物(ガン)、脳血管疾患、心臓疾患が3大成人病と称されるようになり、
1996年頃から、加えて糖尿病、慢性肝疾患などと生活習慣との因果関係が明らかになることで、
成人病は「生活習慣病」と称されるようになりました。
日本が世界一の寿命を誇る高齢社会となった現在、死因も、医療との関わりも変革期にきています。
外的な死因がかなり取り払われるようになった現在、
日本社会は長寿が実現したわけですから、
内的な、健康にかかわる状態をよりしっかりイメージし、
単なる延命とはならない生き方を一人一人がもつことが重要です。
生活習慣病に対する対処は、自らできることがたくさんありますから、
医療まかせにせず、自らその技を身につけることが大切です。
医療という社会基盤はしっかりとすえた上で、寿命や生活習慣病に対しては一人一人が自立して対処すべきです。
医療とは、死なないための、延命行為です。
健康とは、生き方です。
あなたは、どう、生きますか?
2016年8月7日 14時23分