週刊コーチングとは<17>できない理由をどんなに考えてもできるはずがない・・・(上)

こんにちは!
先日、30年来の友人とランチをしていて、企業内パワハラの話題になりました。
問題となっているA氏は、いわゆるIT部門で営業成績のよい30代取締役。
口癖が「なんでできないの?」

この「なんでできないの?」攻撃にあって、毎年社員が辞めていくとのことです。
私自身30数年の社会人生活で目の当たりにした経験があります。

この、「なんでできないの?」という言葉、2つの意味で問題です。

まず、一つ目。
それは、できない理由をいくら考えてみても、社員は絶対にできるようにはならないからです。
そして、それによって「できない」とレッテルを貼られた社員が辞めていっている、辞めるだけならいいのですが人によっては心に傷を負ってしまうことです。

もしかしたら、体調が悪かったからかもしれません。
もしかしたら、知識が足りなかったのかもしれません。
もしかしたら、そもそも、仕事をやっていなかったからかもしれません。
もしかしたら、仕事に向いていないのかもしれない
もしかしたら、・・・・

実は、もっともらしい「できなかった説明」はいくらでもすることができます。
しかし、その説明がいかに詳細であったとしても、それでできるようにはなりません。
より、「たったひとつのできなかったこと」が確定されるだけです。

これは、事故原因を追求し、改善するのとは訳が違います。
あるいは、システム改善するのとは訳が違います。

それは、人間の行動についてだからです。
「できる、できない」については、マインドが大きくはたらくからです。

逆に、できる方法も無限にあります。
しかも、そのうちのたった一つの方法が当たれば、できます。

ですから、マインドのからくりをフル活用するコーチングにおいては、「できない理由」に対しては一切ふれません。
そんなことをしても時間の無駄、いいことはひとつも無いからです。

「ああ、自分はできない人間だ」。不幸にも、こんなことを自分で感じてしまっている人に対しては、コーチングが必要です。
ひたすらエフィカシーを上げていきます。
実は、人間が何かを「できる」ためには、これが唯一の方法です。

というわけで、この場で、「できない理由を追求するのがダメな理由」を説明するだけでも時間の無駄なのですが、
そして、実際のコーチングでは絶対しないのですが、

あまりにも「教育・指導」の場でパワハラがなくならないので、あえてとりあげています。
そして、コーチングの説明としては有用なので、あえてこの話をしています。

次回は、

「なんでできないの?」が問題である2つ目の理由についてお話しします。